絵を描くことが好きで良かった。

「絵が好きでずっと書いてきたし、今も毎日書いています。なので、ずっと親に怒られてました」

先日知人に笑いながらそういうと、「え、なんで怒られてたんですか?」ととても不思議そうな顔をされました。

その時に「そうだった、絵を描くことは、ずっと「ダメなこと」だった」と昔のことをふと思い出しました。

でも、今絵をかけていること、そしてそれでお仕事をさせていただいていることを、自分でもとても誇りに思えるようになりました。

そしてとても幸福感を感じたので、昔を思い出しながら、今絵を描けて幸せであることを記事にしようと思いました。

目次

大好きな「絵を描くこと」が「悪いこと」だった子供の頃

「いつから絵を描き始めたんですか?」とよく聞かれます。

そう聞かれると、毎回困ります。私にとって絵を描くことは、覚えている頃からずっと毎日していた当たり前のことだからです。

家でも保育園でも、真っ白の画用紙帳を広げてクレヨンや色鉛筆で好きなアニメのキャラクターを描いたり、家族の顔を書いたり、母の誕生日に似顔絵を書いたり・・・あまり小さい頃の記憶はないのですが、そんなことをしていたのはチラチラと覚えています。

母曰く、絵に限らず「書く(描く)こと」が好きだったようで、確かに小学校に上がる前に家族の名前の漢字を聞いて真似して書いたり、アルファベットを書いていた記憶があります。

絵を描くことは本当に好きだったし、自分にとって日課となっているくらい、当たり前のことでした。

ですが、小さい頃は認められても、年齢が上がるとともに、そうは行かなくなっていきました。

とにかく限度を知らないほど書いていた私は、500枚入りのコピー用紙を半分に折って漫画を書くのが好きだったのですが、コピー用紙を買ってもらっても何日か後にはなくなるので、貧乏だったこともあり、次第に買ってもらえなくなりました。

母が仕事先からもらってきてくれるチラシの裏やレシートの巻紙の裏表ぎっしりに書いたり、祖母宅で見つけた白ですらない紙やチラシの裏、新聞の上下左右の2cm程の余白、レストランのテーブルに置いてあるナプキン…とにかく「紙」を見つけてはかいてしまうほどでした。(今思えば、そりゃ怒られる)

貧乏だったので、画材は学校で使う鉛筆と消しゴムだけ。手では持てないほど小さくなるまで鉛筆は使い倒していました。

でも、母が私が絵を描くことに対して嫌悪感を抱いていたのは、お金がかかるからではなく、理由は他にありました。

母は、私が将来自分のように貧乏で苦しい生活をして欲しくないという強い思いから、勉強をしていい高校に行っていいところに就職してほしいと思っていました。

貧乏なので小学校の頃から「大学はいけないからね」と言われていたのですが、母は当時知識が乏しく、「いい高校に行けばいい就職先があるだろう」と思っていたようです。(今思うといい高校は大体大学に行くための学校なので就職はいいかどうかわかりませんが…)

なので、勉強もせずただひたすら一日中絵を書いている私を心から心配していたのだと思います。

母のその気持ちは、幼いながらもわかっていました。

何度も絵をやめようと思いました。

だけど、子供だったので自分の欲を制御することは難しく…

結局やめようと思っても3日と続きませんでした。

「絵を描く時間を勉強に!」なんて貼り紙したときは母が泣きそうになるくらい喜んでくれたのですが、申し訳ないながらも続きません。

「なんで私は絵を書いてしまうんだろう。」そう思いながら、絵を描く手は止められませんでした。

と言っても、小学校の頃の成績はほぼ毎回100点だったのですが、それでも母の中で私が絵を描くことは嫌いだったらしく、担任の先生には「ずっと絵を書いているんです」と呆れて話しているところを見たことがあります。

私が絵を書いても、誰も喜ばない。むしろ不幸にさせていると、わかっていながら、絵を描くことはやめられない。

周りの大人は絵を描くことで褒めてくれる人はいませんでした。

学校の先生も「絵なんか書いてないで外で遊びなさい」とよく言っていました。

まぁ、休み時間もひたすら自由帳に絵を書いていたので、心配になる気持ちはわかりますが(笑)

当時の私は、「好きなことがあるのは悪いことで、勉強する子が正しい」と、ずっと思っていたし、そうじゃなくてもいいんだと気づいたのは、正直最近になってからです。

学校から帰ってすぐ絵を書いて、寝るまでそれを続けて…当時はスマホもなかったので、絵を描くことくらいしか家でできることもありませんでしたが、確かに異常だったかも・・・そんな生活は中学卒業まで続きました。

今までの人生の中で絵を描かなかった3度のタイミング

そんな私も、今までの人生で絵をほぼ描かなかったタイミングが3度ほどあります。

1度目は、高校入学後でした。

中学の頃は、絵を書いて怒られながら、勉強もほとんどしないまま、母の志望した高校に無事合格し、これでもう勉強しなくていい!と喜んで、卒業しました。

ですが、成績がギリギリ届いて入った学校で、同じクラスになったクラスメイトは、中学の頃、成績表に5が並んでいたような人ばかり…

母が就職のことを考えて選んだ工業高校だったので、私の苦手な理数系、興味のない電子回路や半導体などの授業、みんな頭がいいので、授業が進むスピードが速く、赤点の基準点も高い。しょっぱなからついていけなくなりました。

私にとっては、この高校に入ることがゴールだったので、これ以上勉強はしなくていいと思っていたのに、クラスメイトたちはエンジニアになったり、大学に行ったりするために入学していたんですよね。だからみんな必死で勉強してい多のです。とても当たり前!

頭のいい人たちですら、勉強しないとついていけないのに、勉強をもうしたくなかった私がついていけるはずもありませんでした。

結局、1年はクリアできたものの、2年で成績が足りず留年、そして退学しました。

高校入学して、もう勉強とはお別れで、これからずっと絵を書いて過ごせると思っていたのに、全く絵を描くことができなくなりました。

それは、今まで何も問題なくクリアしていた勉強というものができなくなった現実が受け入れられなかった私の、初めての挫折だったように思います。

絵を描かなくなったタイミング2つ目は、高校中退後、webデザイナーになろうと決心して、専門学校に行くために資金集めとして1年半バイトしていた頃です。

バイトを始めた頃から、自分の欲しいものは自分で買えるようになり、この頃から画材を買ったり、pcとペンタブとソフトを揃えてデジタルで絵を書いたり…鉛筆以外で絵を描くことを始めました。

バイト自体は高校の時からしていたし、嫌いではなかったし、むしろ達成感があって好きだったのですが、ただ専門学校に行くことに対して、親に一切金銭的援助を受けないことを目標にしていたので、(生活にかかる費用は出してもらっていましたが…)とにかく稼ぐのに必死でした。

本来なら高校卒業して就職して、家計を楽にしているはずが、逆にお金をかけさせてしまっていることに罪悪感がなかったわけではありませんでした。

気づいたら、朝6時に出て2〜3つのバイト先を移動して、夜11時に帰ってくる…という生活を休みなしで続けました。

それでも帰ってから絵を書いたりしたこともありましたが、ほとんどできる元気もなく、ほぼかけていなかったように思います。

そして描かなくなったタイミング3つ目は、webデザイナーとして就職した社会人一年目の頃。

ひどいパワハラにあって、生まれてから現在に至るまでの生き方や人格を毎日のように否定され…4ヶ月が経つ頃、仕事に行けなくなりました。

同時に、デザインに対する自信もなくなり、現在もデザインは好きですが、強い恐怖心があり、できないままです。

その頃はほぼ毎日寝ることしかできず、絵を書いた記憶もないわけではありませんがほとんど動かなかった気がします。

それでも、結局元気が出てくると描き始めてしまうんですよね。もう何かの呪いでしょうか(笑)

子供を産んで、絵を仕事にしようと思った

こんな生き方をしてきた私は、いまだに心の奥底で「絵を描くことは贅沢」「絵を描くことは悪いこと」という思い込みというか、そんなのがうっすら残っています。

正直、これだけ書いてきた割に、pixivやtwitterで神絵師と呼ばれている方たちほど上手でもないですし、「まぁかけるよ〜」くらいの気持ちで、ずっと趣味で書いていました。

そんな中、結婚して子供が生まれて、保育園に預けながら仕事復帰した後…子供の病気などで仕事を休まなければいけないことが増えました。

仕事に行けない間、当たり前ですがお金はもらえません。

収入が減っていくことに、不安がつもり続けていました。

“子供が寝た後に仕事ができればいいのに“

そう考えるようになった時に、イラストレーターとして活動する、昔の夢が蘇ってきたのです。

「好きなことを仕事にしないほうがいい」とか、「イラストでは食べていけない」とか、そういう噂に聞いていた言葉が邪魔しているところもある反面、「思い立ったらすぐ行動」な私は…すぐに行動に移しました。

Webデザイナーとして働いていることを生かし、サイトづくりに励み、会社で働きながら空いた時間にできる営業をしたり…

成果が出ない日が続きましたが、なんだかそういうことが楽しくなりました。

今、絵を描くことが幸せ

今までもずっと好きで、書いていると幸せでしたが、心のどこかで邪魔するものがあったりで、心の底から幸福感を感じることはあまりありませんでした。

ですが、去年から徐々にお仕事をいただけるようになり、自分の絵や仕事の仕方に課題を見つけたり、上達していく自分の絵を見て嬉しくなったり。

本当に、今、絵を書いていて良かったと心から思えるのです。

そして今とても嬉しいなと思うのは、あの大反対していた母が、私が絵で仕事をしていることをとても喜んでくれていること。(多分)

人に自慢したりするみたいです。

母も今では過去のことを反省し、ずっと謝ってきますが、昔から母の気持ちは理解していたので、「いいよ〜」って返しています。

母がしいてくれたレールが間違っていたとも思っていないので。

苦しかった高校時代でしたが、今でも付き合いのある友達ができたり、悪いことばかりではなかったので、いい思い出です。

今はまた、新しい命を授かったので、ご迷惑おかけしてはいけないので、しばらくお休みしようと思っていますが、復帰後、もしまたお仕事させていただく機会があるなら、ずっと続けていきたいです。

子供には、好きなことを認めてあげたい

私のことを反面教師に、子供には好きなことを思いきり好きと言えるように、認め合いながら生活していけたらいいなと思います。

そのためには、心身ともに余裕も必要ですね。

私の今の間近の夢は、小学校から帰ってきた子供を家で迎えることができること。つまり、家で仕事をして、子供が家に帰ってきたら一旦中断して、一緒に宿題したり今日あったことを話したりしたいのです。

私の母は朝から夕方まで働き、私たちの世話をしてからまた仕事に出て深夜に帰ってきたりしていたので、ほとんど家で話したり一緒にご飯を食べたりした記憶がありません。したいこと、欲しいもの、あまり伝えたことがないかもしれません。

母と話すようになったのは、私に子供が生まれて、いろいろ子供のことで頼むようになってからのように思います。

そうならないように、自分の子供には自分の思っていることやしたいことを自由に私に話してくれるようになったらいいなって思います。

それを叶えるのが、今まで罪悪感を抱えながらもやめられず、好きでい続けた「イラスト」なんだって思うのです。

好きなことは、自信を持って続けて!

子供の頃からずっと、私を表現する唯一の方法は絵を描くことでした。

そんな過去を大切に、これからもずっと、絵を書いていけたらいいなと思います。

もし、私のように好きなことが自由にできないという悩みを抱えている方がいたら・・・それは自信を持って続けて欲しいです。

もちろん、人に迷惑をかけない方法でですが・・・

好きなことこそ、自分の人生を幸せにするものだと、私は思っています。

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